レンタルサーバーとは、どういったものなのかについて説明します。
レンタルサーバーとは?
通常、「レンタルサーバー」とは、サービスを提供している企業が保有しているサーバーを貸し出すサービスのことを指します。利用者は、このサーバーを使ってウェブサイトを公開したり、メールアドレスを運用することができます。
ここでの「サーバー」とはモノとして存在するコンピュータです。「サーバーマシン」とも言えます(専用のソフトウェアを使い、仮想的に構築されたサーバーの場合もあります)。常時可動させるプログラムを指す場合の「サーバー」ではありません。(参考:レンタルサーバーにおける「サーバー」とは?)
レンタルサーバー業者と契約したユーザーは、業者の保有するサーバーを借りて使用することができます。1台のサーバーを丸ごと借りるサービスや、1台のサーバーの中の一部だけを借りるサービスなどいろいろな種類のサービスがあります。
これに対して、知識さえあれば、誰でもサーバーとなるコンピューターを購入して自宅に置き、Webサイトを公開したりメールを運用することができます。しかし、自分でサーバーを運用するのは知識の面でも作業量の面でもハードルが高いため、サーバーを借りたほうがラクなのです。
レンタルサーバーの模式図
何ができるのか?
少しややこしいのですが、サーバーマシンの中で常時稼働しているプログラムのことも「サーバー」と呼ばれます。こちらの「サーバー」のことを「サーバープログラム」「サーバーソフトウェア」と呼んで区別をつける場合もあります。
サーバープログラムには、「Webサーバー」や「メールサーバー」などいろいろな種類がありますが、レンタルサーバーで動かす主なサーバープログラムは以下となります。
サーバープログラムの種類 |
役割 |
Webサーバー |
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FTPサーバー |
- ユーザーは、FTPクライアントアプリケーションを使って、サーバーマシン上にファイルをアップロード / ダウンロードできます。(例:FileZilla)
- 主に、Webサイトに必要なHTMLファイルなどをアップロードするために使用します。
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メールサーバー |
- メールアドレスを作成し、メールの送受信を行います。
- 実際は、送信と受信とでサーバープログラムが分かれています。
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レンタルサーバーの種類
レンタルサーバーには主に以下の種類があります。
種類 |
サービス内容 |
共用サーバー |
- 1台のサーバーマシンを複数のユーザーが共有します。
- サーバー側の設定などはほとんど変更できません。レンタルサーバー業者が管理します。
- 高いスペックは望めません。その代わり、安いです。
- 「FTPでHTMLファイルなどをアップロードして、Webサイトとして公開する」という使い方がメインになります。
- 他のユーザーも使っているため、あまり自由なことはできませんし、他のユーザーが何か重たい処理をすると、その影響を受けます。
- 一般的に「レンタルサーバー」と言った場合、このサービスのことを指します。
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VPS(仮想専用サーバー) |
- 1台のサーバーマシンの中に複数作成された仮想サーバー環境の中の1つを借りて使用します。利用する側からは1台のサーバーとして扱えます。
- サーバー側の設定を変えたり、新たなソフトウェアを導入したりと、ほぼ何でもできますが、その代わり、レンタルサーバー業者はサーバーの中身に関して面倒は見てくれません。
- 専用サーバーに比べると、スペックは低いです。
- 料金は、共用サーバーと専用サーバーの中間となります。
- インストールするOSが選べる場合もあります。大抵は Linux系のOSであることが多いです。Linux を学んで Webサーバーを自分で動かしてみたい人にはコストパフォーマンス的に、このサービスが最適です。
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専用サーバー |
- 1台のサーバーマシンを丸ごと借りて使用します。
- 自分でサーバーマシンを購入して使っているのと、ほとんど変わらない自由度があります。
- サーバーマシンのスペックは高いですが、その代わり料金は高いです。
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マネージド専用サーバー |
- 1台のサーバーマシンを丸ごと借りて使用します。
- サーバーの管理そのものはレンタルサーバー業者が行います。利用者は主に管理パネルから操作を行いますので、高度な知識はそれ程要求されません。そのため、root権限(*)が貰えないサービスが多いです。
- サーバーマシンのスペックは高いですが、その代わり料金は高いです。
※ Linux では、全ての操作権限を持った root というユーザーアカウントが用意されます。この root アカウントのパスワードを教えて貰えば、root アカウントとしてサーバーにログインすることができるようになり、全ての操作を行うことができます。但しそのためには高度な知識が必要です。マネージドサーバーは「管理パネル上で各種操作を行うことができる」というのがメリットの1つであるため、root としてサーバーに直接ログインする必要がありません。ということで、「root 権限が貰えない」(=「root アカウントとしてログインできない」)サービスが多い印象です。
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クラウド型レンタルサーバー |
- 管理サイト上で、仮想的なサーバーを作成して使用します(サービスによっては複数の仮想サーバを作成できます)。
- 大抵のサービスでは、プランによって CPU, メモリー, ストレージなどのリソース量が決まっており、どれかのプランを選択して契約します。後からでも柔軟にプラン変更できます。
- より多くのリソースが必要になったら、上位のプランを変更することによって対応します(利用料金は増えます)。
- サーバーを起動していない時間は料金が発生しないサービスが多いです。主に時間単位での課金になります。
- このタイプのサービスが増えてきています。
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クラウドサーバー |
- 仮想的に用意された1台のサーバーを借りて使用します。
- VPSと似ていますが、CPU, メモリー, ハードディスクなどのリソースを簡単に変更(増減)することができます。
- Webサイトの利用者が増えてきた時に、より高いスペックのサーバーを借り直して引っ越しする必要がありません。リソースを増やすだけで対応できます(利用料金は増えます)。
- Webサイトへのアクセスが一時的に増えそうな時などに便利です。
- 料金は、割り当てるリソースに依存しますが、最低料金は VPSより高いことが多いです。
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個人レベルで Webサイトを公開したいだけであれば、通常は「共用サーバー」を使用します。技術的な勉強も兼ねたい場合は、VPSを使用することが多いです。
レンタルサーバーの種類
(あくまでイメージです。共用サーバーでも大規模なWebサイトをホストできるものもあります。)