WADAX のレンタルサーバーサービスには、「共有サーバー」「専用サーバー」「プライベートクラウド」がありますが、ここでは「専用サーバー」のみを対象としています。
目次
1. WADAX と「専用サーバー」サービスについて

サービス名 |
WADAXレンタルサーバー![]() |
---|---|
ターゲット | 大規模なWebサイトを安定して運営したい法人 |
プランと 価格帯 |
マネージドプラン
セルフプラン
|
運営会社 | GMOクラウド株式会社 |
WADAX は、GMOクラウド株式会社が運営するレンタルサーバーサービスです。
元々の運営会社である株式会社ワダックスは、2004年に法人向けレンタルサーバーサービスを開始しています。
WADAX は、大きく分けると「共有サーバー」「専用サーバー」「プライベートクラウド」という3種類のサービスを提供しています。
専用サーバーのプラン体系
専用サーバーには、以下の2種類のプランが用意されています。
- (1) マネージドプラン
- 運用業務をWADAXに委託することのできます。
- (2) セルフプラン
- ユーザー側で運用業務を行います。
そして、この2つのプランは、サーバーのスペックによって「プラン1」「プラン2」「プランSSD」という3つに分かれます。
プラン1 | プラン2 | プランSSD | |
---|---|---|---|
CPU | Xeon E3 (4コア/8スレッド) |
Xeon E5 (8コア/16スレッド) |
|
メモリ | 16GB | ||
ストレージ | HDDSAS2TB(RAID10) | SSD400GB(RAID1) |
ということで、結局プランは6つあることになります。
- マネージドプラン の プラン1
- マネージドプラン の プラン2
- マネージドプラン の プランSSD
- セルフプラン の プラン1
- セルフプラン の プラン2
- セルフプラン の プランSSD
2. レンタルサーバーの種類
3. プラン比較
マネージドプラン | セルフプラン | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
プラン1 | プラン2 | プランSSD | プラン1 | プラン2 | プランSSD | |
初期費用 | 86,400 円 | 129,600 円 | 151,200 円 | 86,400 円 | 129,600 円 | 151,200 円 |
月額費用 | 30,240 円 | 36,720 円 | 41,040 円 | 19,440 円 | 25,920 円 | 30,240 円 |
1年分前払 (月換算) |
332,640 円 (27,720 円/月) |
403,920 円 (33,660 円/月) |
451,440 円 (37,620 円/月) |
213,840 円 (17,820 円/月) |
285,120 円 (23,760 円/月) |
332,640 円 (27,720 円/月) |
CPU | Xeon E3 (4コア/8スレッド) |
Xeon E5 (8コア/16スレッド) |
Xeon E5 (8コア/16スレッド) |
Xeon E3 (4コア/8スレッド) |
Xeon E5 (8コア/16スレッド) |
Xeon E5 (8コア/16スレッド) |
メモリ | 16 GB | 16 GB | 16 GB | 16 GB | 16 GB | 16 GB |
HDD | SAS2TB (RAID10) |
SAS2TB (RAID10) |
SSD400GB (RAID1) |
SAS2TB (RAID10) |
SAS2TB (RAID10) |
SSD400GB (RAID1) |
セキュリティアップデート | – | – | – | |||
転送量課金 | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
転送量 | 無制限 (*1) | |||||
電話サポート | ||||||
自動バックアップ | 有料オプション |
※ 金額はすべて税込みです。
※1 公式サイトによると「過去に転送量過多でご利用をご遠慮いただいたことはございません。 」とのこと。
4. マネージドプランの特徴・機能
サーバーに関する知識を持っている社員がいない企業や、サーバー業務に時間を掛けられない企業向けのプランです。サーバー業務を WADAX に委託することができます。24時間365日対応してくれます。
例えば、以下のような業務です。
- サーバーの運用
- セキュリティ管理
- 不正アクセス対策
- 新しいパッチやアップデートの適用
- サーバー障害時の対応
どの項目も、ちゃんとやろうと思ったら片手間でできるものではありません。自信がない場合は、専門業者(WADAX) に任せたほうが安心です。サーバーを乗っとられて情報漏えいしてからでは遅いです。
セキュリティアップデート
ユーザーの代わりに、WADAX側で OSのセキュリティアップデートを実行してくれます。
サーバー業務を委託できるマネージドプランですが、このアップデート作業は「明示的に頼まなくても勝手にやってくれる」作業になります。
サーバー管理ツールPlesk
サーバーに詳しい方は、ターミナルエミュレータを使い、サーバー上でコマンドを打ち込んで操作を行うことができます。しかし、Plesk を使うと、分かりやすい管理画面上で各種操作を行うことができるようになるため、そこまで詳しい知識が必要とされません。
マネージドプランということで、サーバー業務を委託することが基本となりますが、ユーザー側でも何か操作を行いたい場合は、Plesk が便利です。
WADAX指定のポリシーによる共用ファイアウォール配下
サーバー(コンピュータ)は通信を行う際、ポートと呼ばれるドアを開けます。通信するプログラムによってドアの番号はいろいろ決まっていたりします。ファイアウォールというのは、簡単に言うと「このドアは締めておく」「このドアは開けておく」という設定を行うソフトウェアです。必要ないドアは締めておかないと、外部から不正なアクセスがどんどんやってくるので、万が一サーバー側に脆弱性があったりすると、そこを突かれて攻撃されてしまうのです。
そしてこのファイアウォールの設定は結構面倒なのですが、マネージドプランのサーバーは、WADAX 側が設定してくれたファイアウォールの中にサーバーを配置してくれるので、自分で設定する必要がありません。
「マネージドプラン」なのでファイアウォールの設定も委託すればよいのですが、サーバーの目的にも依るものの、だいたい設定する内容は同じであることが多いので、予め用意されている「共用ファイアウォール」にサーバーが設置されるのがラクなのだと思われます。
24時間365日サーバー監視 (http/pop/smtpなど)
WADAX側の監視専任スタッフが、24時間365日サーバーを監視してくれます。
ハードウェアメーカが提供する管理ツールも使用しており、ハードウェアの異常を検知したら、すぐにユーザーにメール連絡が送られるようになっています。
ミッションクリティカルなシステムを運用している場合には、非常にありがたいサービスです。
ディスク容量の監視
ディスクの容量が少なくなってきたら、ユーザー側に電話もしくはメールでお知らせしてくれます。
5. セルフプランの特徴・機能
手厚いサポート
法人向けサービスということもあり、WADAX は サポートを非常に重視していますので、セルフプランであっても、サポートは充実しています。(自分たちのサポートを「NO! と言わないWADAXのサポート」と表現しています。)
電話、メール、フォーム のどのサポートであっても、以下の時間内であれば無料でサポートを受けることができます。
[平日] 午前 9 時 ~ 午後 10 時
[土日祝] 午前 9 時 ~ 午後 6 時
基本的に、セルフプランを選ぶユーザーはインターネットやサーバーに関して、かなりの知識を持っていると思いますが、全ての担当者がそうとは限りません。WADAX のサポートでは、インターネットの基礎的な知識がないお客様でも、かなり親切に対応して頂けます。
充実のサーバー監視【標準機能】
セルフプランであっても、サーバーの死活監視・ハードウェア障害復旧対応が標準で対応しており、専任スタッフが速やかに対応してくれます。
セルフプランでは監視画面、リモートコンソールも標準提供されるので、ユーザー側でサービスやリソースの監視・対応を容易に行うこともできます。
セキュリティ対策も、サポートも万全【標準機能】
不正侵入検知予防サービス(IPS)
セコムトラストシステムズの不正侵入検知予防サービス(IPS)が標準装備されます。IPS とは「Instruction Prevention System」の略で、不正侵入防止システムとも呼ばれます。通信データを監視して、問題を検出したらその種類の通信をブロックします。WADAX の専用サーバーでは、この IPS を使って不正アクセスを24時間監視しています。
DoS/DDoS攻撃防御
DoS攻撃やDDoS攻撃とは、一度に大量のアクセスを行う攻撃で、ネットワークの負荷を高めて他のユーザーからのアクセスを邪魔したり、サーバーをダウンさせようとします。
WADAX 専用サーバーでは、セコムトラストシステムズのDoS/DDoS攻撃防御専用機器が導入されているので、これらの攻撃を素早く検知して、安定したサービスの提供を維持することができます。
24時間365日リブート無料
サーバーがダウンしてしまった場合などに、サーバーを再起動してくれます。
ただ再起動してくれるだけではなく、原因究明に関するアドバイスも実施されます。
6. マネージドプラン、セルフプラン 共通の特徴・機能
OS の選択肢
標準提供は、
- CentOS7(64bit版)
- CentOS6(64bit版)
有償提供は、
- Red Hat Enterprise Linux7(64bit版)
- Red Hat Enterprise Linux6(64bit版)
また、セルフプランでは以下のOSも有償提供として用意されています。
- Windows Server 2008 R2 Standard(64bit版)
- Windows Server 2012 R2 Standard(64bit版)
選択肢は少ないですが、法人向けのサービスであるため、上記の OS から選べるのであれば問題はあまりないと思います。
充実したオプションサービス【オプション】
様々な有償オプションが用意されています。自分たちに必要なものを選びましょう。
どんなオプションがあるか箇条書きしておきます。
セキュリティ
- WAF (Webアプリケーションファイアウォール)
- WordPress脆弱性診断KYUBI
- エフセキュアアンチウイルス クラウド
- 脆弱性診断&マルウェア対策「SiteLock」
- Sitelockワンショット診断
- SSLサーバー証明書
- グローバルサイン SSL証明書
- セキュリティ診断サービス(脆弱性診断)
- セコム SSL証明書
- 診断/不正侵入検知防御システム(IPS)
- セキュリティオプション(レポート付き)
メール機能
- 添付ファイル自動暗号化送信機能(シンプルメール)
- Active! hunter
- モバイル対応Webメール Active! mail
- メールアーカイブ Active! vault
- Pleskメール系オプション
UTM(Unified Threat Management=統合脅威管理)
- FortiGate
- VSR
運用サポート
- Plesk
- サーバー監視復旧オプション
- 各種作業代行サービス
- 移転代行サービス
- 電源ON/OFF
- IPアドレス追加
- ドメイン登録情報の変更または非表示
アプリケーション
- Movable Type
Web活用支援
- サイボウズ
- システム開発
- サーバーセキュリティコンサルティング
- ホームページ制作
HDD構成
- RAID構成
メモリ追加
- メモリ追加
回線
- 帯域保証
- TOKAIまたは他者回線引き込み
可用性
- vDNSオプション
- Arcserveバックアップ
- NASバックアップ
- クラウドストレージ
- バックアップオプション
7. 総評
ミッションクリティカルで大規模なウェブサイトを運用している法人にとって、理想的なレンタルサーバーサービスの1つです。
サービスの内容・種類、サポート体制どれをとっても問題ありません。料金が高いだけのことはあります。
大切なのは、自分たちのウェブサイトにとってちょうどよいスペックなサーバーであるかどうかの見極めです。このレベルのサーバーになると、かなりのPV(ページビュー)があったり、重い処理が伴っているなどのウェブサイトでないとオーバースペックになってしまい、コストだけが高くなってしまいます。そこさえハッキリさせておけば、きっと満足するサービスになるでしょう。
プランの選定をするならば、まず 自分たちでサーバー業務を行うかどうかで、「マネージドプラン」か「セルフプラン」かが決まります。あとは、サーバースペックをどこまで求めるかで「プラン1」、「プラン2」、「プランSSD」が決まります。
8. 「WADAX 専用サーバー」の年表
「WADAX の専用サーバー」に関するこれまでのプレスリリース等を表にしました。運営会社に関する情報も記載しています。
※ あくまでも調査できた範囲での情報になります。