
2020年2月における おすすめレンタルサーバーをご紹介します。
本ページで扱うのは、一般的な「共用サーバー」に限定し、個人もしくは小中規模の組織向けサービスとします。
目次
1. おすすめレンタルサーバーのランキング
いきなり、結論とも言える予算別お勧めランキングです!
予算 1,000 ~ 2,000円/月
現時点でこの予算のレンタルサーバーを借りれば、100万PV/月くらいまでは大丈夫です(正確に言うと、テキスト主体のウェブサイトであればこのくいらのPVまで捌けるサービスがあります)。これを超えるのであれば、専用サーバーを借りることを考えましょう。

あらゆる面でトップレベルで、サーバースペックの更新・新機能の追加に貪欲に取り組む姿勢は、このカテゴリにおけるトップの地位を維持することへのこだわりを感じます。初期費用が掛かる点がマイナスに見えますが、キャンペーンを使えば半額程度になりますので(常に何かしらのキャンペーンが行われています)、実際はそれほどのマイナスにはなりません。
有力な競合サービスも増えてきましたが、今までの実績も考慮すると一番の地位を維持していると言えるでしょう。

サービス名 | エックスサーバー![]() |
---|---|
ターゲット | 安定して Webサイトを運営したい個人、法人 |
プランと 価格帯 |
|
運営会社 | エックスサーバー株式会社 |
サービス開始 | 2003年 |
運用サイト数 | 170万件 |

Webサーバーの処理速度が「国内最速」であると謳ったり、「WordPressかんたん移行」という機能を業界で初めて導入したというのは、力を入れたサービスでなければありえません。もちろん、それ以外のどれを取っても業界最高レベルとなっていますし、サービスリリースから1年半たちましたが、安定して稼働しています。エックスサーバーとの大きな違いの1つが課金体系で、「1時間単位で課金される方が良い」という方は ConoHa WING が適しています。

サービス名 | ConoHa WING![]() |
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オススメユーザー | 安定して Webサイトを運営したい個人、法人 |
プランと価格帯 |
|
運営会社 | GMOインターネット株式会社 |
サービス開始 | 2018年9月 |

もちろんそれだけではなく、「“地域別” 自動バックアップ」という他にはないサービスを標準搭載しており、1つのウリになっています。
こちらも、あとは実績を積んでいけば、定番サービスの1つになるでしょう。

サービス名 | カラフルボックス![]() |
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ターゲット | 安定した Webサイト運営を必要としている個人、法人 |
プランと 価格帯 |
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運営会社 | 株式会社カラフルラボ |
サービス開始 | 2018年7月 |
予算 1,000円以下/月
こちらは、先ほどのカテゴリと比べるとサーバー環境の性能などが少し劣りますが、ウェブサイトの運用状態にそれ程シビアでない場合(たまにサーバーが止まってもしょうがないかと思える場合)やちょっとしたウェブサイトの運営であれば何の問題もありません。


サービス名 |
ロリポップ!![]() |
---|---|
オススメユーザー | 月500円で気軽にWebサイトを運営したい個人 |
プランと価格帯 |
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運営会社 | GMOペパボ株式会社 |
サービス開始 | 2003年 |
利用実績 | 200万件 |


サービス名 | さくらのレンタルサーバ![]() |
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オススメユーザー | 月500円で気軽にWebサイトを運営したい個人 |
プランと価格帯 |
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運営会社 | さくらインターネット株式会社 |
サービス開始 | 2004年 |
利用実績 | 44万件 |
3位は不在です!
2. レンタルサーバーとは?
ここで、あらためてレンタルサーバーについて説明していきます。

「レンタルサーバー」とは、「レンタルサーバー業者が、保有するサーバーの一部(もしくはまるごと)を貸し出すサービス」のことを指します。
契約者には、サーバー上のアカウントとディスクスペースが割り当てられますので、そこにウェブのファイルをアップロードすることで、ウェブサイトを公開することができます。(ウェブサイトを公開する以外の用途もあります)
もう少し詳しい説明は以下のページをご覧ください。
3. レンタルサーバーがなぜ必要なのか?
ウェブサイトを公開するには、サーバー と ドメイン が必要になります。
この2つは以下のように利用されます。
example.com
といった ドメイン は、インターネットにおける住所(URL)となります。- ウェブサイトの実体であるファイルを サーバー にアップロードします。
- あとは、そのドメインとサーバーを紐付ける設定を行えば、インターネット上にあなたのウェブサイトを公開することができます。

では、「どこのサーバーを使うのか?」という話しになりますが、ここで レンタルサーバー の登場となります。
ホームページ作成サービス(Jimdo / Wix など)やブログサービスを使えば、自分でサーバーを用意する必要はありません。しかし、レンタルサーバーを借りれば以下のメリットがあるのです。
レンタルサーバーのメリット
- サーバーの管理を専門家に任せられてラク
- 自由度が高い
レンタルサーバーはラク
レンタルサーバーは自由度が高い
しかし、今度は自由度が高過ぎるというのも、それはそれで困ってしまいます。何から何まで自分でやるというのでは大変だからです。そこで、WordPress のような CMS と呼ばれるツールが役に立ちます。WordPress はサイト作成ツールなのですが、非常に多機能で、しかもHTMLなどの知識があまりなくても使えてしまいます。ウェブサイトの 30%は WordPress でできているという話もあります。ということで、「WordPress」というツールを使うことにより、自由度の高いサーバーを上手く使いこなすことができ、比較的簡単な操作で高度なカスタマイズが可能になるのです。
- ディスク容量が小さい。
- アクセスが遅い。
- アクセスログが見られない。
- SSL が使えない。
- 広告が表示される(静的サイトのプランを除く)。
- サポートがない。
- 自動バックアップされない。
- メールが使えない(エックスドメインにはメールの無料機能もあります)。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
一方、ドメインを得るには「ドメイン取得サービス」を利用することになります。ドメイン取得サービスについては以下の記事をご覧ください。
4. レンタルサーバーでサイトを運用するコスト
では、独自ドメインを取得し、レンタルサーバーを借りてウェブサイトを公開する場合、どれくらいのコストが掛かるのでしょうか?
(ここでは、独自ドメインの料金とレンタルサーバーの料金のみを考えます。ウェブサイトを制作するコストは入っていません。)
おおまかな金額を知ってもらうため、5つのパターンに分けてコストを表にしました。
「合計(円/月)」列が結局の所掛かるコストです。
安いサービスはディスク容量が少なかったり、いろいろ制限があるのですが、それらの制限でも問題ない範囲で使用するのであれば、0円から始めることができます。この中で一番高い 1,125円/月 のパターンであれば、かなりのアクセス数があるウェブサイトでも対応することができます。
独自ドメイン (円/年) | レンタルサーバー (円/月) | 合計 (円/月) | 説明 |
---|---|---|---|
0 | 0 | 0 |
|
0 | 500 | 500 |
|
1,500 | 0 | 125 |
|
1,500 | 500 | 625 |
|
1,500 | 1,000 | 1,125 |
|
5. レンタルサーバーを選ぶポイント
費用(料金)
主に、「初期費用」と「月額費用」の2つの費用があります。
初期費用
また、エックスサーバーのように初期費用がそれなりの料金に設定してある場合でも、実際はキャンペーンを使って安くなるような仕掛けになっているサービスもあります。正確な意図は分かりませんが、戦略的にやっているのでしょう(エックスサーバーは既に人気のサービスです)。
月額費用
スペック
サーバーのスペックというと、主に「ディスク容量」「CPU」「メモリ」のことですが、共用サーバーの場合は、なにしろ「共用」ですので、個別のユーザー毎に割り当てられる項目ではっきりしているのは「ディスク容量」だけになります。間借りするサーバー自体のスペックを公表しているサービスもありますが、そのサーバーを「どれくらいの数のユーザーが使っているか」や「どんなウェブサイトがどれくらいあるか」は分かりませんので、あまり参考になりません。ということで、「CPU」「メモリ」ともに自分に割り当てられる分の具体的な数値は分かりません。そこで、代わりに「転送量の目安」を確認しましょう。「転送量の目安」を見れば、「どのくらいの数のアクセスまで安定した状態でサーバーが耐えられるか」が分かります。逆に言うと、これさえ分かれば「CPU」や「メモリ」は知る必要がありません。ちゃんとアクセスに耐えてくれれば、スペックはどれくらいだろうと困らないからです。但しこれは「転送量」であって「アクセスの数」ではありませんので、自分の運営するウェブサイトにとって耐えて欲しいアクセス数が、どのくらいの転送量になるか換算して判断しなければいけません。このあたりについては、以下のリンク先のページに書きましてので、是非参考にしてください。
機能
いくつか代表的な機能について説明します。
高速化のための技術が使われているかどうか
そのため、レンタルサーバーにおいて、どれだけ高速化のための技術が導入されているかも大切になってきます。具体的には、ウェブサーバーとして使われているソフトウェアが高速なものであったり、ディスクにSSDが使われていたり等いろいろあります。これは流行りもありますので、いくつかのサービスを見てみると「Aというサービスには○○が導入されているが、Bというサービスには導入されていない」というのが分かります。1つのサービスがある技術を導入すると、他のサービスが後追いすることもよくあります。
時代とともにサーバー環境が更新されるかどうか
サーバー環境が更新された場合、新しい環境にデータを移行する作業が必要になることもあります。面倒な作業ではありますが、なるべく簡単に移行できるようにツールを用意してくれるサービスもあります。
マルチドメインが使えるか。いくつまで使えるか。
example.com
」「example.net
」「example.org
」という3つのドメインを持っていて、それぞれに1つずつウェブサイトを割り当てて使いたい場合に、1つのレンタルサーバーサービスだけ契約すれば、そのサーバーでこの3つのウェブサイトが公開できるか?ということです。自動バックアップ
レンタルサーバーにおいて「データ」といった時は、「ファイル(とフォルダ)」と「データベースのデータ(使っていれば)」の2種類のデータがあることに気を付けましょう。両方のバックアップが必要です。
レンタルサーバーサービスは、自動バックアップ機能に関して、だいたい以下のようなスタンスに分かれます。
- 自動バックアップなし。
- 自動バックアップは無料でやってくれる。但し、そのデータ提供は有料。
- 自動バックアップも、そのデータ提供も無料。
1はもちろんですが 2 の場合であっても、自分でデータのバックアップをとっておく ことをお勧めします。サービス側のバックアップを100%信用するのは危険ですし、自分でとったバックアップデータを使えば無料だからです。万が一の場合にのみ、有料でデータ提供を受ければよいです。例えば、WordPress であればファイルとデータベースのバックアップを簡単に設定できるプラグインがありますので、それ程手間にはなりません。
プラン変更が可能かどうか
安定性
サーバー障害が頻繁に起きているどうか事前によく調べましょう。
レンタルサーバーサービスの公式サイトには、たいてい「障害情報」というページが用意されており、発生した障害の記録を知ることができますので、目を通すことをお勧めします。
とはいえ、障害情報ページには載っていない障害や不調に関する情報の方が重要です。「障害というほどではないけど、ウェブサイトの表示が遅い」というのはよくあることですが、定量的に測定するのが難しいため、実情を知ることが難しいからです。インターネットを活用して信用できる情報を探しましょう。本サイトも参考にしてください。
サポート
サポートとしてよくあるのは、
- メールサポート
- チャットサポート
- 電話サポート
で、これ以外に
- マニュアルサイト(これはたいていあります)
- フォーラムサイト(ユーザーが質問したり、情報を投稿したりできるウェブサイト)
があったりします。
サーバーやウェブサイトについて詳しい人であれば、マニュアルサイトだけあればあまり困ることはありませんが、何も分からない人にとっては、電話サポートがあると心強いでしょう。
その他
キャンペーンや情報更新の多さ
運営会社が力を入れているサービスであれば、頻繁にキャンペーンが実施されていたり、情報更新が多かったりします。それらが頻繁でないサービスは「安定して枯れている」という捉え方もできますが、新しい技術がどんどん登場する業界ですので、やはり活発なキャンペーンや情報更新が行われているサービスは内容も伴っていることが多いです。
解約規定
「解約規定」も最初に確認しておくとよい項目です。事前に、「解約にはどういう手続が必要か?」「何ヶ月前から解約手続きを始めないといけないのか?」についてチェックしておくと後悔しなくて済みます。
6. その他のレンタルサーバー紹介
ランキングには入らなかったものの気になるサービスを紹介します。
ヘテムル

サービス名 | heteml(ヘテムル)![]() |
---|---|
オススメユーザー | 月1,000円前後でWebサイトを運営したい個人・法人 |
プランと価格帯 |
|
運営会社 | GMOペパボ株式会社 |
サービス開始 | 2005年 |
「heteml (ヘテムル)」は、レンタルサーバー業界の老舗である GMOペパボ株式会社が運営する共用サーバーサービスです。2005年からサービスが開始されています。
同社の共用サーバーサービスである「ロリポップ!レンタルサーバー」は「初心者向け」という位置づけにあり、一方「ヘテムル」はその1ランク上のサービスで「デザイナーやクリエイターを中心に、個人から法人まで幅広い層」をターゲットにしています。
「ベーシック」プランは、予算約1,000円/月のカテゴリの中でトップレベルのサービスの1つです。少し地味な存在になっている印象がありますが、「サーバー環境のスペックや機能」「料金」「将来性」どれも特に問題はありません。サーバー環境のスペックやサービス内容も時代に合わせてアップデートされています。

mixhost

サービス名 | MixHost![]() |
---|---|
オススメユーザー | 安定した Webサイト運営を必要としている個人、法人 |
プランと価格帯 |
|
運営会社 | アズポケット株式会社 |
サービス開始 | 2016年 |
mixhost は、アズポケット株式会社が運営するレンタルサーバーサービスです。
アズポケット株式会社は、設立が 2016年ですので、レンタルサーバー業界としてもかなり新しい企業と言えます。
mixhostのコンセプトは、「個人や中小企業でも手軽に使えるクラウド」です。
実際には「共用サーバー」なのですが、サーバーOSとして CloudLinux を採用することにより、ユーザー毎に各種リソース(CPU, メモリ, プロセス)を制御することができるようです。この部分がクラウドの特徴と似ているため「手軽に使えるクラウド」というコンセプトになっていると考えられます。
サービスがスタートする時は新しい技術を導入しやすいとはいえ、採用している技術やサービスからかなり攻めている印象を受けます。
価格帯やターゲットユーザーを見てみますと、メジャーなところではエックスサーバーが競合になっています。老舗で安定したエックスサーバーに対し、攻めの姿勢で勝負を挑んでいる新サービスという構図が見えます。「ディスク容量がたくさん必要だ」ということならエックスサーバーがよいですが、そうでなければ 「絶対にこちらが良い」と言うのは難しいです。長年の運用実績を信頼してエックスサーバーを選択するのもよいでしょう。しかし、mixhost は随所に新しい技術を取り入れており、面白い存在です。
mixhost は、今後「新しい技術にどれだけ対応し続けていけるか」、「サービスの高速性と安定性をどれだけ維持していけるか」が楽しみなサービスです。エックスサーバーの対抗馬として、検討する価値のあるサービスだと思います。

7. まとめ
おすすめレンタルサーバーサービス(共用サーバー)をご紹介しました。
もう一度ここでまとめますと、予算 1,000 ~ 2,000円/月であれば エックスサーバーのX10プランがまだ一位の座を維持していると思います。しかし、 ConoHa WING との差はそれほどないという印象です。クラウド的な柔軟性を求めるのであれば、ConoHa WING をお勧めします。ConoHa WING はリリースしてからまだ1年半あまりですが、安定して稼働しています。
とはいえ、ConoHa WING と カラフルボックス は、まだまだ歴史が浅いため「長期にわたる安定したサーバー運用」と、「時代に合わせたスペック更新・機能追加」という点については注目していかなければいけません。この点で問題がないことが証明されれば、そこで初めて エックスサーバーを超える可能性が見えてくると思っています。
先程も少し書きましたが、エックスサーバーと比べると ConoHa WING と カラフルボックスは「クラウド」に近い特徴を持っており、スペックやプランの変更がより柔軟になっています。これは時代の流れとでも言うべき変化なのですが、利用者にとっては快適にサーバーが動いてくれれば特に文句はないとも言えるため、実際に運用する上でこの点がエックスサーバーにとって不利に働くかと言えばそうでもないような気がしています。この点も今後、どうなるか注目すべきポイントです。
予算 1,000円以下/月のカテゴリはあまり変化がなく、ロリポップ!レンタルサーバーのスタンダードプラン と さくらのレンタルサーバーのスタンダードプラン という安定の老舗サービスが甲乙つけ難い状況にあります。
是非、参考にしてみて下さい。