ここでは、ロリポップ!マネージドクラウド を使ってみた時のメモを書いていきます。(2018年10月時点)
目次
疑問点
ディスク容量について
公式サイトの「コンテナスペック」に「ディスク容量 10GB (SSD + HDD)」とありますが、コントロールパネルの中に、現時点での使用容量がどれくらいなのかを見る箇所が見つかりません。
SSHでログインして、df
コマンドを実行すると、見辛いものの何とか分かりはします。
メモリについて
公式サイトの「コンテナスペック」に「メモリ 512MB」とありますが、free
コマンドを実行したところ total のところが 1GBと表示されました(多い分にはありがたいですが)。
$ free -h
total used free shared buff/cache available
Mem: 1.0G 2.4M 1.0G 5.5G 8K 1.0G
Swap: 8.0G 0B 8.0G
転送量の目安
コントロールパネルには、発生した「転送量」や使用中のコンテナの数がグラフで表示されます。
ただ、事前に「1つのコンテナで、どれくらいの転送量が捌けるのか」が分からないため、コストの予測が難しいのではと思いました。
一方で、「オートスケール」すれば、どれくらいのアクセスや転送量を捌けるのかも事前には分かりません。
※ 追加:対応できる同時アクセス数は?
メモ
コンテナの起動時間
サーバーへのアクセスが20分以上ないとコンテナは停止するということになっています。実際には20分で停止しているわけではないようですが(もっと長いと思います)、ある程度時間が立つとやはりコンテナは停止するようです。
その状態からサーバーにアクセスした時に、コンテナが起動(?)しますが、ここで時間が掛かります。タイムアウトしてしまい(504 Gateway Time-out)、本来の画面が表示されないことがあります。再度リクエストを送ると、すぐに正常なレスポンスが返ってきますので、一度コンテナが起動してしまえばあとは問題ありません。
「ほとんどアクセスがないウェブサイト」の場合、たまにアクセスするとタイムアウトしたり、表示するまでタイムラグが発生することになります。
SSHログイン後の環境
「PHPアプリケーションのプロジェクト」「WordPressアプリケーション」のどちらのプロジェクトであっても、SSHログインすると、/var/www/
がホームディレクトリになっています。
その直下には、html
ディレクトリがあり、ここがドキュメントルートになっています。
静的なページのレスポンス速度
結構速いです。
$ ab -c 10 -n 10 https://xxxxxxxx-9999.lolipop.io/
This is ApacheBench, Version 2.3 <$Revision: 1706008$>
Copyright 1996 Adam Twiss, Zeus Technology Ltd, http://www.zeustech.net/
Licensed to The Apache Software Foundation, http://www.apache.org/
Benchmarking xxxxxxxx-9999.lolipop.lolipop.io (be patient).....done
Server Software: nginx/1.13.12
Server Hostname: xxxxxxxx-9999.lolipop.lolipop.io
Server Port: 443
SSL/TLS Protocol: TLSv1.2,ECDHE-RSA-AES256-GCM-SHA384,2048,256
Document Path: /
Document Length: 1783 bytes
Concurrency Level: 10
Time taken for tests: 0.264 seconds
Complete requests: 10
Failed requests: 0
Total transferred: 20460 bytes
HTML transferred: 17830 bytes
Requests per second: 37.81 [#/sec] (mean)
Time per request: 264.498 [ms] (mean)
Time per request: 26.450 [ms] (mean, across all concurrent requests)
Transfer rate: 75.54 [Kbytes/sec] received
Connection Times (ms)
min mean[+/-sd] median max
Connect: 95 97 1.3 98 99
Processing: 118 149 11.9 152 165
Waiting: 118 149 11.8 151 165
Total: 216 246 11.4 248 261
Percentage of the requests served within a certain time (ms)
50% 248
66% 248
75% 249
80% 253
90% 261
95% 261
98% 261
99% 261
100% 261 (longest request)
PHPページのレスポンス速度
PHPコンテナでOPcacheを有効にしてレスポンスタイムが半分!!1になりました|ロリポップ!マネージドクラウド|note とあるように、OPcache を有効にしたおかげか、そこそこ速いです。エックスサーバーと同じくらいです。
$ ab -c 10 -n 10 https://xxxxxxxx-9999.lolipop.io/
This is ApacheBench, Version 2.3 <$Revision: 1706008$>
Copyright 1996 Adam Twiss, Zeus Technology Ltd, http://www.zeustech.net/
Licensed to The Apache Software Foundation, http://www.apache.org/
Benchmarking xxxxxxxx-9999.lolipop.io (be patient).....done Server
Software: nginx/1.13.12
Server Hostname: xxxxxxxx-9999.lolipop.io
Server Port: 443
SSL/TLS Protocol: TLSv1.2,ECDHE-RSA-AES256-GCM-SHA384,2048,256
Document Path: /
Document Length: 53490 bytes
Concurrency Level: 10
Time taken for tests: 2.351 seconds
Complete requests: 10
Failed requests: 0
Total transferred: 537550 bytes
HTML transferred: 534900 bytes
Requests per second: 4.25 [#/sec] (mean)
Time per request: 2350.522 [ms] (mean)
Time per request: 235.052 [ms] (mean, across all concurrent requests)
Transfer rate: 223.33 [Kbytes/sec] received
Connection Times (ms)
min mean[+/-sd] median max
Connect: 63 76 9.2 82 85
Processing: 1774 1910 192.0 1824 2281
Waiting: 1666 1782 221.1 1685 2206
Total: 1859 1985 191.3 1906 2347
Percentage of the requests served within a certain time (ms)
50% 1906
66% 1908
75% 1910
80% 2346
90% 2347
95% 2347
98% 2347
99% 2347
100% 2347 (longest request)
※ ダミーのホスト名にしてあります。
マニュアル
マニュアルがまだあまり充実していないように感じます。
このサービスには、詳しいマニュアルが必要です。
チュートリアル
普通の共用レンタルサーバーとは使い方が違うため、コンテナやPaaS に慣れていないユーザー用に チュートリアルが必要だと思いました。
初心者が共用レンタルサーバーを扱う気持ちでこのサービスを使うと、かなり戸惑うでしょう。使いこなせないのでは?
ウェブ上のファイルブラウザページ
ウェブ上のファイルブラウザページがありませんので、「今、どのようなファイルが置いてあったか」を確認するには、FTPクライアントで見るか SSHでログインして見るしかありません。
データベース
データベース(MySQL)のホストは、ウェブのコンテナとは別ホストになっているわけですが、GUIでデータベースを操作する方法が見当たりません。別ホストであるため phpMyAdmin を導入して使うこともできませんし、外部からの接続も拒否されます。
GUI でデータベースが触れないと、ちょっとした値の変更を行うのが面倒ですし、初心者はデータベースを扱えないでしょう。
そういうライトな用途は想定になりのかもしれません。
※ これは、PHPアプリケーションでプロジェクトを作った時のメモです。
新しいプログラミング言語やミドルウェアへの対応
新しいプログラミング言語やミドルウェアを採用するのが比較的ラクにできるサービスだと思われます。
例:Golang に対応しました!|ロリポップ!マネージドクラウド|note
本サービスは、OS単位でなくコンテナ単位での環境を提供するため、OSレベルだと必要だけれどもコンテナレベルだと必要ない機能まで対応する必要がありません。そのため、比較的柔軟に新しいプログラミング言語やミドルウェア用のコンテナを提供することができるでしょう。
諸々
CPU
$ lscpu
Architecture: x86_64
CPU op-mode(s): 32-bit, 64-bit
Byte Order: Little Endian
CPU(s): 48
On-line CPU(s) list: 0-47
Thread(s) per core: 2
Core(s) per socket: 12
Socket(s): 2
NUMA node(s): 2
Vendor ID: GenuineIntel
CPU family: 6
Model: 79
Model name: Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2650 v4 @ 2.20GHz
Stepping: 1
CPU MHz: 1204.500
CPU max MHz: 2900.0000
CPU min MHz: 1200.0000
BogoMIPS: 4400.10
Virtualization: VT-x
L1d cache: 32K
L1i cache: 32K
L2 cache: 256K
L3 cache: 30720K
NUMA node0 CPU(s): 0,2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,44,46
NUMA node1 CPU(s): 1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25,27,29,31,33,35,37,39,41,43,45,47
Flags: fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush dts acpi mmx fxsr sse sse2 ss ht tm pbe syscall nx pdpe1gb rdtscp lm constant_tsc arch_perfmon pebs bts rep_good nopl xtopology nonstop_tsc aperfmperf eagerfpu pni pclmulqdq dtes64 monitor ds_cpl vmx smx est tm2 ssse3 sdbg fma cx16 xtpr pdcm pcid dca sse4_1 sse4_2 x2apic movbe popcnt tsc_deadline_timer aes xsave avx f16c rdrand lahf_lm abm 3dnowprefetch epb invpcid_single intel_pt retpoline kaiser tpr_shadow vnmi flexpriority ept vpid fsgsbase tsc_adjust bmi1 hle avx2 smep bmi2 erms invpcid rtm cqm rdseed adx smap xsaveopt cqm_llc cqm_occup_llc cqm_mbm_total cqm_mbm_local dtherm ida arat pln pts
OSなど
$ cat /etc/issue
Ubuntu 16.04.4 LTS \n \l
$ uname -a
Linux ssh-icy-hirado-2368.lolipop.io-c7992d073b 4.4.0-124-generic #148-Ubuntu SMP Wed May 2 13:00:18 UTC 2018 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
ストレージ書き込み速度
$ dd if=/dev/zero of=dummy bs=1M count=1024
1024+0 records in
1024+0 records out
1073741824 bytes (1.1 GB, 1.0 GiB) copied, 9.33538 s, 115 MB/s
全体
本サービスが、「初心者用」なのか「分かってる人向け」なのか「その両方向け」なのかがよく分かりませんが、現状は「分かってる人向け」だと思います。
また、本番運用を行うことを考えると、「コンテナの起動時間」「どれだけのアクセスが捌けるのか」「コントロールパネルの機能性」といった点から、まだ少し不安があります。
現時点では、FastContainerアーキテクチャという技術先行型の実験的サービスといった趣きで、レンタルサーバーサービスとしての完成度を高めるにはまだ少し時間が掛かるように思いました。実際、レンタルサーバーサービスとして重要な機能が追加されている真っ最中ですので、これから完成度が高まっていくでしょう。
(2018年10月上旬)
ロリポップ!マネージドクラウド の年表
「ロリポップ!マネージドクラウド」に関するこれまでのプレスリリース等を表にしました。
※ あくまでも調査できた範囲での情報になります。
日付 | 内容 |
---|---|
2020年 | |
2020/12/15 | ストレージ拡張機能をリリースしました! |
2020/03/31 | ロリポップ!マネージドクラウドのAPIを使った2つ目のサービスが誕生しました! |
2020/01/15 | メンバー招待機能をリリースしました! |
2019年 | |
2019/11/08 | コンテンツキャッシュ機能をアップデートしました! |
2019/10/02 | PHP 7.3.10をリリースしました! |
2019/07/24 | 2要素認証が使えるようになりました |
2019/05/29 | Java プロジェクトをリリースしました! |
2019/04/19 | コンテンツキャッシュ機能をリリースしました |
2018年 | |
2018/12/25 | コンテナ再起動ボタン をリリースしました |
2018/12/12 | 環境変数の設定機能 をリリースしました |
2018/11/12 | Pythonに対応しました! |
2018/10/29 | 利用金額に応じたメール通知や運用ルールの設定ができるようになりました! |
2018/10/25 | Golang に対応しました! |
2018/10/18 | 稼働中コンテナのバージョン変更が可能になりました |
2018/10/02 | 今年いっぱいマネクラ無料!使って使って使い倒そう!キャンペーン実施 |
2018/09/27 | コンテナのバージョン選択ができるようになりました |
2018/09/25 | WebSocket が使用可能になりました |
2018/08/23 | PHPコンテナでOPcacheを有効にしてレスポンスタイムが半分!!1になりました |
2018/04/18 | 「ロリポップ!」クラウドホスティングのような環境を手軽に利用できる新しいホスティングサービス「マネージドクラウド」プランの正式版を提供開始 |