無料機能を提供しているレンタルサーバー サービスのうち、お勧めなサービスを比較・ご紹介します。
無料レンタルサーバーとは?
いくつかのレンタルサーバーでは、一部の機能を無料で提供しており、無料でウェブサイトを公開することができます。「そんな都合の良いサービスがあるのか? 何か裏があるのではないか?」と怪しむ方もいるかもしれませんが、有料プランを提供しているレンタルサーバー業者がサービスの一部として無料機能を用意しているだけなので問題はありません(少なくともこのページで紹介するものは)。
案外知らない方も多いのではないでしょうか?
とはいえ、無料である分、機能が限らていたり、広告が表示されたりします。
いきなり有料のレンタルサーバーを借りるのが不安な方は、まずは無料の機能を使用してみることをお勧めします。そこで少し試してから、不満が出てきたら有料プランを検討すればよいのです。
本ページでご紹介するサービスは、メールアドレスさえあればアカウント登録して無料機能を利用できますので、遠慮せずに使ってみましょう。
無料レンタルサーバーを使用する目的
無料レンタルサーバーは、どんな目的で使用されるのでしょうか?
主に以下の2つの目的があるように思います。
- ウェブサイトを公開するため。
- ウェブサイトの作成・公開を練習するため。
1. ごく単純なウェブサイトを公開するため
無料の機能とはいえ、ウェブサイトを問題なく公開することができます。
目的によっては、これで十分という場合もあります。
2. ウェブサイトの作成・公開を練習するため
「ウェブサイトを本格的に運用したいけれど、いきなり有料プランを契約するのは不安だ」という場合や、純粋に ウェブサイトの作成・運用に興味がある場合も、無料機能を試してみ価値があります。実際にどういうものか体験することで、自分に必要な機能がよりハッキリします。
無料機能を提供しているお勧めレンタルサーバー
2018年現在、以下の2つのレンタルサーバーがお勧めです。
- スターサーバーフリー
- XFREE(エックスフリー) (以前は、エックスドメイン内の機能として提供されていました)
基本的には3種類の機能(プラン)がある
どちらのレンタルサーバーも、複数の無料機能を用意していますが、基本的には3種類に分かれます。
- 静的なウェブサイトを公開する機能(PHP, MySQL は使えない)
- PHP と MySQL も使える機能(その代わりの制約あり)
- WordPress を使うための機能
用語
- 静的なウェブサイト
- PHPのようなサーバー側のプログラミング処理を使わないウェブサイト。HTML, CSS, JavaScript, 画像ファイルなどで構成される。
- 動的なウェブサイト
- PHPのようなサーバー側のプログラミング処理を使うウェブサイト。PHPの場合であれば、HTMLファイルの代わりに PHPファイルが使用され、そこに HTMLだけでなく プログラミングコードが記述される。データベースに接続してデータを利用するウェブサイトを構築することもできる。
特徴を表にまとめてみました。
機能(プラン) | 内容 |
---|---|
静的なウェブサイトの機能 |
|
PHP と MySQL も使える機能 |
|
WordPress を使うための機能 |
|
このように、目的別に機能が分かれているのでどれを使えばよいか選びやすくなっています。
2つのレンタルサーバーに用意された機能を目的別に対応付ける
では、それぞれの目的別に、2つのレンタルサーバーが提供している機能を分けてみましょう。
静的なウェブサイトを公開する機能
- スターサーバーフリー「フリー プラン」
- スターサーバーフリー「フリー容量増加 プラン」(容量が多い代りに広告あり)
- エックスフリー「HTMLサーバー機能」
PHP と MySQL も使える機能
- スターサーバーフリー「フリー PHP+MySQL プラン」
- エックスフリー「PHP・MySQLサーバー機能」
WordPress を使うための機能
- エックスフリー「WordPress機能」
同じような機能がラインナップされていることが分かります(関連会社のサービスなので当然と言えば当然なのですが)。
比較表
2つのレンタルサーバーの各機能を比較する表を用意しました。
機能 | スターサーバフリーー | エックスフリー | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
フリー | フリー容量増加 | フリー PHP + MySQL | HTMLサーバー | PHP・MySQLサーバー | WordPress | |
主な仕様 | ||||||
月額費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
ディスク容量 | 2GB | 4GB | 2GB | 1GB | 1GB | 2GB |
独自ドメイン | 1 | 1 | 1 | 10 | 10 | 5 |
サブドメイン | 50 | 50 | 50 | 50 | 50 | – |
SSL | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
広告表示 | なし |
あり (モバイル端末のみ) |
3ヶ月間、ファイルマネージャの利用、もしくはFTPでの接続が行われない場合は、広告が表示される。 | モバイル端末からのみ表示される | ||
サーバープログラム | ||||||
PHP | – | – | 7.2.x 7.1.x 7.0.x 5.6.x 5.5.x 5.3.3 ※一部制限あり |
– | 7 5 |
7 5 |
phpMyAdmin | – | – | ○ | – | ○ | ○ |
PEAR | – | – | ○ | – | ○ | – |
Perl | – | – | – | – | – | – |
Ruby | – | – | – | – | – | – |
Python | – | – | – | – | – | – |
MySQLの容量 | – | – | 50MB | – | 50MB | 100MB |
MySQLのDB数 | 1 | 0 | 5 | |||
アクセスログの取得 | – | – | – | |||
Webページアクセス認証(BASIC認証) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
SSHログイン | – | – | – | – | – | – |
.htaccess編集 | ○ | ○ |
○ ※一部制限あり |
○ | ○ | |
MIMEタイプ設定 | ○ | ○ | – | ○ | ||
サイト転送設定 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
IPアドレス拒否設定 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
WordPress | ||||||
WordPress簡単インストール | – | – | ○ | ○ | ○ | |
設置可能WordPress数 | – | – | – | – | 5 | |
FTP | ||||||
FTP | ○ | ○ | ○ |
○ (国内からのアクセスに限る) |
||
FTP over SSL | ○ | ○ | ○ |
○ (国内からのアクセスに限る) |
||
ファイルマネージャー(Webブラウザ上) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
メール | ||||||
メール | – | – | – | – | – | – |
ウィルスチェック | – | – | – | – | – | – |
スパムフィルタ | – | – | – | – | – | – |
その他 | ||||||
備考 | – | – | – | ドメイン契約で機能が拡張できる。 |
※ エックスドメインでは上記以外に「メール」機能も提供されています。
このように表にして比べても分かる通り、両レンタルサーバーの機能にそれ程大きな違いはありません。
提供されるサイトURL
利用者が決めた文字列を「○○○」とすると、ウェブサイトのURLは以下になります。
スターサーバーフリー
3階層になります。
エックスフリー
とか
○○○.wp.xdomain.jp
利用する機能によって html
や wp
といった階層が挟まれ、4階層になります。
スターサーバーの方がスッキリしたURLですね。
アカウント登録時に入力する情報の多さ
無料レンタルサーバーでWordPressサイトを作成する手順(エックスドメイン編) と 無料レンタルサーバーでWordPressサイトを作成する手順(スターサーバー編) を見てもらえると分かりますが、エックスフリー(旧 エックスドメイン)の方が細かく個人情報の入力が求められます。
スターサーバーフリーの方が気軽にアカウントを登録することができると言えます。
目的別の機能選定
当サイトのお勧め機能を目的別にご紹介します。
(1) 静的ウェブサイトでよい人
→ 完全に広告なしがよい人は、スターサーバーフリーの「フリー プラン」
→ たくさんの独自ドメインを使いたい人は、エックスフリー(の「HTMLサーバー機能」
(2) 静的ウェブサイトで容量多めがよい人
→ スターサーバーフリー(の「フリー容量増加 プラン」
(3) 動的ウェブサイトを作りたい人
→ エックスフリーの「PHP・MySQLサーバー機能」
※ スターサーバーフリーの「フリー PHP+MySQL プラン」よりも、使用できる 独自ドメイン数が多いため。
(4) WordPress サイトを作りたい人
→ エックスフリーの「WordPress機能」
※ スターサーバーフリーの「フリーWP プラン」よりも、作成できる WordPressサイトの数が多いため。
*1: スターサーバーフリーは、運営会社であるネットオウルへの新規会員登録を行うことになります。
無料の機能だと困ること
ここで、無料の機能だと困る点について書いておきます。
- ディスク容量が小さい。
- アクセスが遅い。
- アクセスログが見られない。
- SSL が使えない(使えるサービスもあります)。
- 広告が表示される(静的サイトのプランを除く)。
- サポートがない。
- 自動バックアップされない。
- メールが使えない
(エックスドメインにはメールの無料機能もあります)。 - 広告表示などのJavaScriptが自動挿入されるので、AMP が使えない(AMPではカスタム JavaScript は使えないため)。
ちゃんとウェブサイトを運用するには、これらの項目全てが致命的です。
ですので、これらの点に不満を感じるようになったらなるべく早い時点で有料プランに切り替えることをお勧めします。切り替えるといっても、すでにある程度運用してしまっていると、かなり面倒な作業になります。独自ドメインではない場合は特にです。
この「切り替える」手間を考えると、やはり無料機能はあくまで練習用と考えておいたほうがよいかもしれません。くれぐれも注意して下さい。
まとめ
今回は 2つのレンタルサーバーをご紹介しましたが、基本的にはどちらもよいサービスです。
どちらも、メールアドレスさえあれば登録して使えますので、気軽に試してみましょう。
詳しくは公式サイトへどうぞ