レンタルサーバーを借りると何ができるのでしょうか?
レンタルサーバーがどういったものなのか分からない方のために、「レンタルサーバーを借りるとできること」の基本について具体的な手順とその画面などを交えて説明します。
レンタルサーバー自体の座学的な説明については、以下の記事で書いていますのでそちらをご覧ください。
目次
前提
「共用サーバー」を既に借りている前提で説明します。
できることの概要
レンタルサーバーを借りる目的の中で一番大きいのは、「作成したウェブサイトを公開する」ということでしょう。
そのために必要な作業は、たった 2つしかありません。
- ウェブサイトを制作する(そのウェブサイトを構成するファイルを作ります)
- 作成したファイルを、借りたサーバーにアップロードする
これだけで、そのウェブサイトは全世界に向けて公開された状態になります。非常にシンプルです。
まず、テキストファイル (*.txt) を公開してみる
ウェブサイトは HTMLというフォーマット(厳密にはマークアップ言語ですが)で記述しないといけないのですが、ただのテキストファイルをアップロードして公開することもできます。
では、やってみましょう。
1. テキストファイルを用意する
foo.txt
というテキストファイルを用意します。
中身はこんな感じです。
こんにちは!
<p>こんにちは!</p>
2. テキストファイルをサーバーにアップロードする
では、このファイルをレンタルサーバーにアップロードします。アップロードするには FTPクライアントソフトを使います。
以下のページで、FTPクライアントソフトである FileZilla について説明していますので参考にして下さい。
レンタルサーバーに FTPで接続すると、通常はウェブサイトのトップの位置に紐付けられたディレクトリにつながります。ここに、先ほどのファイルをアップロードします。
3. ウェブブラウザでテキストファイルにアクセスする
次に、ウェブブラウザでこのファイルにアクセスします。
レンタルサーバーが用意してくれたドメイン、もしくは自分で割り当てた独自ドメインを使った URL でアクセスすることになりますが、ここでは「www.example.com」というドメインであるとします。
先ほど FTPクライアントソフトでサーバー側ディレクトリ階層のトップレベルに foo.txt
を配置しましたので、URL は ドメインに続けて /foo.txt
となります。
ということで、ウェブブラウザのアドレスバーに、「http://www.example.com/foo.txt」と入力して Enter キーを押します。
そうしますと、以下のように表示されます。

「<p>こんにちは!</p>
」の部分は、HTMLのタグと呼ばれる記述になっていますが、今回はあくまでテキストファイルですので、タグは解釈されずにそのまま表示されます。
4. 問題点
テキストファイルで、どんな文字エンコーディングを使うか?という問題があります(文字エンコーディングというのは、文字をコンピュータに保存する方式のようなものです。UTF-8 や Shift_JIS などがあります)。テキストファイルの場合、どんな文字エンコーディングを使っているかをウェブブラウザに伝えることができないので、使用した文字エンコーディングとウェブブラウザによっては文字化けします。ですので、テキストファイルをウェブに公開することはできないことはないのですが、現実的にやることはあまりありません。
※ BOM付きの文字エンコーディングを使えば、だいたい文字化けしないとは思います。
ウェブページを公開するために必要な手順
それでは、本題のウェブページを公開する手順です。
「ウェブサイト」と言ってしまうと何ページもあるような規模のサイトを想像しますが、今回は1ページしか用意しませんので、ここからは「ウェブページ」と呼んでいきます。
ウェブページは HTMLというフォーマット(厳密にはマークアップ言語ですが)に従って記述したファイルです。テキストエディタで書くことができますので、先ほどのテキストファイルと大きく違うわけではありません。
手順も先ほどとほとんど同じになります。
1. ウェブページを用意する
例として、シンプルなウェブページを用意します。
foo.html
というHTMLファイルと foo.css
というCSSファイルの 2つです。
テキストエディタで以下のファイルを作成します。
ファイル名: foo.html
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=edge" >
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1">
<title>ウェブサイトのテストページです!</title>
<link rel='stylesheet' href='./foo.css' type='text/css' />
</head>
<body>
<h1>ウェブサイトのテストページです!</h1>
<p class="greeting">こんにちは!</p>
</body>
</html>
- “こんにちは!” という部分に、”greeting” というクラスを指定しています。
- 装飾を行うための
foo.css
ファイルを読み込んでいます。
ファイル名: foo.css
body {
margin: 20px;
}
.greeting {
color: blue;
font-size: 2em;
}
- ここでは全体の周囲にマージンを加え、”greeting” というクラスに「色(青色)」と「フォントサイズ(2倍のサイズ)」を指定しています。
※ HTML と CSS の詳細な説明はここではについては省きます。以下の記事を参考にしてください。
2. ウェブページのファイルをサーバーにアップロードする
この 2つのファイルをレンタルサーバーにアップロードします。アップロードするには先ほどと同様に FTPクライアントソフトを使います。
以下のページで、FTPクライアントソフトである FileZilla について説明していますので参考にして下さい。
レンタルサーバーに FTPで接続すると、通常はウェブサイトのトップの位置に紐付けられたディレクトリにつながります。ここに、先ほど作成した 2つのファイルをアップロードします。
3. ウェブブラウザでウェブページにアクセスする
ウェブブラウザでこのウェブページにアクセスします。
先ほどと同様、ここでは「www.example.com」というドメインであるとします。
ウェブブラウザのアドレスバーに、「http://www.example.com/foo.html」と入力して Enter キーを押します。
そうしますと、以下のように表示されます。

“greeting” クラスを指定した “こんにちは!” の部分が、ちゃんと青色になっているのが分かります。分かりづらいかもしれませんが、フォントサイズも2倍になっています。
まとめ
今回は、非常に単純なウェブページを作成して公開する例について説明しました。
通常はもっと複雑なウェブサイトを用意することが多いです。具体的には、JavaScriptというプログラミング言語を使ってウェブページ上に動きを加えたり、PHPなどのプログラミング言語を記述してサーバー側に何か処理をさせたりします。これらの処理は自作することもできますが、WordPress などの CMS(コンテンツマネージメントシステム、Content Management System)を導入することもあります。といっても、シンプルな HTMLファイルで何かコンテンツを作成することは悪いことではありません。それで十分だと思えば、それでいいのです。
なんにせよ、レンタルサーバーを使えば、こんなに簡単に世界に向けてコンテンツを公開することができるのです。ブログサービスでもコンテンツは発信できますが、レンタルサーバーを使えば、事業者側から受ける制約はほとんどありません。文章を公開するだけでもよいですし、プログラムで何か処理をさせるウェブページを公開することも手軽にできます。