
1. ConoHa WING について

サービス名 | ConoHa WING![]() |
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ターゲット | 安定して Webサイトを運営したい個人、法人 |
プランと 価格帯 |
|
運営会社 | GMOインターネット株式会社 |
ConoHa WING は、GMOインターネット株式会社が運営する共用レンタルサーバーサービスです。
GMOインターネット株式会社は、ConoHa というブランドでホスティングサービスを展開しています(他にもありますが)。
サービス種類 | サービス名 | サービス開始時期 |
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共用レンタルサーバー | ConoHa WING | 2018年9月 |
VPS | ConoHa VPS | 2013年7月 |
VPS(Windows) | ConoHa for Windows Server | 2018年4月 |
先に ConoHa VPS が2013年から提供されていたわけですが、ユーザーから「ConoHa VPS の高速性と使いやすさを持つ(共用)レンタルサーバーを利用したい」という声が多数寄せられたのが、ConoHa WING 誕生のきっかけだそうです。そうして、2018年9月に ConoHa WING の提供が開始されました。
ConoHa WING には、まず ベーシック・ スタンダード・プレミアム という3つのプランがありますが、これらのプランでは CPU と メモリ は他の契約者と共有になっています。一方、この3つのプランそれぞれに対して 一定数(量) の CPU と メモリ が契約者(のサーバー)毎に割り当てられる リザーブド というプランも用意されています。より安定したサーバー運用が必要になる場合は、こちらのプランが適しています。
基本となる3つのプランと、それに対応するリザーブドプランの関係は以下となります。
基本となるプラン (CPU, メモリは共有) |
対応するリザーブドプラン (一定数(量) の CPU と メモリ が割り当てられる) |
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ベーシック | リザーブド 1GB (CPU 2コア、メモリ 1GB) |
スタンダード | リザーブド 2GB (CPU 3コア、メモリ 2GB) |
プレミアム | リザーブド 4GB (CPU 4コア、メモリ 4GB) |

2. レンタルサーバーの種類
共用サーバーです。
3. プラン比較
通常プラン | リザーブドプラン | |||||
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ベーシック | スタンダード | プレミアム | リザーブド 1GB | リザーブド 2GB | リザーブド 4GB | |
初期費用 | 無料 | |||||
月額費用(WINGパック) | 1,100 円 | 2,300 円 | 4,600 円 | 1,400 円 | 2,900 円 | 5,800 円 |
月額費用 | 1,200 円 | 2,400 円 | 4,800 円 | 1,500 円 | 3,000 円 | 6,000 円 |
時額費用 | 2.0 円 | 4.0 円 | 8.0 円 | 2.5 円 | 5.0 円 | 10.0 円 |
メモリ | 共有 | 1 GB | 2 GB | 4 GB | ||
vCPU | 共有 | 2 コア | 3 コア | 4 コア | ||
ディスク容量(SS) | 250 GB | 350 GB | 450 GB | 250 GB | 350 GB | 450 GB |
転送量課金 | 無し | |||||
転送量目安 | 9.0 TB/月 | 11.0 TB/月 | 12.0 TB/月 | 9.0 TB/月 | 11.0 TB/月 | 12.0 TB/月 |
PV目安 | 100万PV/月 以下 | 150万PV/月 以下 | 200万PV/月 以下 | 100万PV/月 以下 | 150万PV/月 以下 | 200万PV/月 以下 |
データベース(MySQL) | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
データベース容量 | 4.5GB/個 | |||||
最低利用期間 | 無し | |||||
RAID構成 | RAID10 | |||||
OS | CloudLinux | |||||
Webサーバー | Apache + NGINX | |||||
サイト数 | 無制限 | |||||
ドメイン | 無制限 | |||||
サブドメイン | 無制限 | |||||
メールアドレス数 | 無制限 | |||||
ウイルスチェック | F-Secure | |||||
迷惑メールフィルタ | F-Secure | |||||
コントロールパネル | 独自開発の管理画面(ブラウザ上から操作可能) | |||||
プラン変更 | どのプランからでも、すべてのプランへ変更可能。 ※ ディスク容量が超過している場合はプランダウンできない。 |
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自動バックアップ | 標準搭載。Webサイト、メール、データベースのデータを1日1回バックアップし、過去14日分を復旧用データとして利用可能。 | |||||
無料独自SSL | 利用可能(Let’s EncryptのSSL証明書) | |||||
オプション独自SSL | グローバルサイン社のクイック認証SSLを2,000円/月で利用可能。 | |||||
お試し期間 | なし |
※ リザーブドプランは、全プランでConoHa WINGで提供しているすべての機能を利用可能です。
4. 主な機能・サービス
WINGパック
ConoHa WING には「WINGパック」という割引プランが用意されています。これは、「レンタルサーバー」と「独自ドメイン」がセットになっていることで、料金が割引きされるというプランです。
主な特徴は以下になります。
- レンタルサーバーと独自ドメインがセットになっている
- 独自ドメインが永久無料
- レンタルサーバーの料金は通常プランより最大33%オフ
- 通常料金(時間課金)から「WINGパック」に変更可能
- 「WINGパック」契約期間中にサーバープランを変更可能
高速・高機能・高安定性
日本国内最速のレンタルサーバー
ConoHa WING は、2018年9月にスタートしましたが、この時点で「国内のレンタルサーバーサービスの中で、Webサーバーの処理速度が最速」であると報告されています。これは、GMOインターネット株式会社による計測ですが、第三者製のツールを使って客観的に測定しており、誇張でもなんでもなく速かったようです。
国内レンタルサーバーサービスの中でWebサーバー処理速度を調査したところ、ConoHa WINGの処理速度が最も速く、2位に約2倍の差をつけて第1位という結果となりました。
高速性
高性能サーバー
- Webサーバーには、Apache + NGINX を採用
- ストレージはオールSSD RAID10構成
Web表示高速化
- キャッシュ機能(ConoHa WINGによる独自チューニング)
- HTTP/2 対応 (通信が高速化されます)
PHP7対応
- PHP5より 2倍以上高速な PHP7が利用可能
- LiteSpeed LSAPIを採用 (PHPアプリケーションが高速に動作します。FastCGIより20%高速)
WordPress サイトでの高速性
- メモリ 2GB の VPS で、KUSANAGI(*1)環境を構築した場合と同等の速度とのことです。
- つまり、WordPress サイトの高速性を求めて VPS を借り、自分で KUSANAGI 環境を構築する労力を使っても、メモリが2GB以下しかなければ ConoHa WING を使った方がよいということになります。実際にVPSを自分で運営する労力を考えれば、ConoHa WING で WordPressサイトを運営するほうがラクですね。
(*1) KUSANAGI: 超高速WordPress仮想マシン(高速化チューニング済みWordPressサーバ)
安定性
高安定性Webサーバー NGINX
- 先程も出てきましたが、Webサーバーには Apache と Nginx の2つを使っているようです。それぞれ得意な処理に特化させ役割分担することによって高速性と高安定性を実現していると思われます。例えば、静的なコンテンツを大量に捌く部分には、こういった処理が得意な Nginx を使っているはずです。
リザーブドプラン
- ベーシック・スタンダード・プレミアム といったプランに加えて、一定数(量)のCPU・メモリを割り当てた(共有ではない)リザーブドプランが用意されています。より安定したサーバー運用を望まれる場合は、こちらのプランを利用することことができます。
サービス品質保証(SLA)
- サービス品質保証(SLA)が導入されており、品質保証値はサーバーの月間稼働率 99.99%以上となっています。
定額制と時間課金
- 初期費用無料
- 最低利用期間無し
- 定額制
- 「契約期間を長くすることによって料金が割安になる」といった料金体系ではありませんので、契約期間で悩む必要はありませんし、いつでも止められるというメリットがあります。このあたりは非常に柔軟です。
- 利用料金は、1時間単位での支払いとなるため、申込月や解約月にも無駄なコストが発生しません。常に最小限のコストで利用できます。
- 一番安いプランであれば、2.0円/時 から利用することができます。

リザーブドプラン
ベーシック・スタンダード・プレミアム といったプランでは、CPU・メモリが他の契約者と共有されます。ConoHa WING では、これとは別に、一定数(量)のCPU・メモリ割当が保証されたリザーブドプランが用意されています。こちらの場合、他の契約者の利用状況に影響を受けることなく、安定してリソースを利用することが可能です。
リザーブドプランには、ベーシック・スタンダード・プレミアムプランそれぞれに対応した3つのプランがあり(リザーブド 1GBプラン・リザーブド 2GBプラン・リザーブド 4GBプラン)、元のプランでのすべての機能を使うことができます。例えば、ベーシックプランを元にして vCPU 2コア・メモリ 1GB の割当保証がついたのが「リザーブド 1GB」プランとなります。
※ CPU と書いていますが、より正確に書くと「vCPUのコア数」となります。
プラン変更が自由自在
どのプランからでも、すべてのプランへ変更可能です。
ベーシック・スタンダード・プレミアム間での違いは、「ディスク容量」「転送量目安」です。これらの項目に関して、自分たちのサーバー(やWebサイト)が必要とする値に変化があるようであれば、プランを変更して無駄なコストを抑えたり、リソース不足を起こさない運用が可能です。
より安定した運用が必要になれば、リザーブドプランに変更することもできますし、この反対も可能です。
※ ディスク容量がオーバーしている場合は、プランダウンできません。
※ 「ベーシック、スタンダード、プレミアムプラン」から「リザーブドプラン」に変更する場合、もしくは「リザーブドプラン」から「ベーシック、スタンダード、プレミアムプラン」に変更する場合はサーバーマイグレーション処理があるため時間が掛かります。
「モニタリング機能」と「自動プランアップ機能」
「モニタリング機能」は、サーバーのリソース(CPU・メモリ・ディスク使用率)が事前に設定したしきい値を超えた時に、メールやSlackで通知を送ることができる機能です。
一方「自動プランアップ機能」は、サーバーのリソース(CPU・メモリ・ディスク使用率)が事前に設定したしきい値を超えた場合に、自動でプランアップ できる機能です。
急なアクセス増加時に、スペック不足によるWebサイト表示速度の低下やサーバーダウンを起こさないために利用します。
これらは「クラウド型」の共用レンタルサーバーだからこそ実現できる機能と言ってよいでしょう。
※ CPU・メモリに関しては、リザーブドプランのみの対応となります。
WordPressかんたん移行
ConoHa 独自開発のWordPressかんたん移行ツールを利用することで、他社サーバーで利用している WordPressをワンクリックで簡単に ConoHa WING へ移行することができます。
驚くことに、特別な設定やプラグインのインストールなどを行う必要はありません。元サーバーにおける情報で必要なのは以下の3つだけです。
- 移行元URL
- 移行元WordPressユーザー名
- 移行元WordPressパスワード
驚異的な機能ですが、これが無料で利用できます。
自動バックアップ
自動バックアップ機能が標準搭載されています。
以下のデータが1日1回バックアップされます。
- Webサイト
- メール
- データベース
過去14日分を復旧用データとして利用することができますが、リストア操作は有料になります。
モリサワのWebフォントが無料で使えます
モリサワが運営しているWebフォントサービス「TypeSquare」で提供している書体の中から、30種類の書体を無料で利用することができます。
お手軽に、Webページに少し違ったテイストを加えることが可能です。
充実した機能と安心のセキュリティ機能
無料独自SSL
- コントロールパネル上の操作によって、独自ドメインの SSLサーバー証明書を無料で発行することができます。
- このサービスには、Let’s Encrypt が利用されています。
- Let’s Encrypt を使った SSLサーバー証明書は定期的に更新作業が必要ですが、ConoHa WING では自動で更新処理を行ってくれます。
WAF(Webアプリケーションファイヤウォール)
- WAF とは、Webサーバーとクライアント(ブラウザ) とのやりとりするデータを監視し、登録された攻撃パターンに一致する部分を検知することによってサーバーを守ることができます。
- 主に、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった攻撃に有効です。
- コントロールパネルから「ON」「OFF」を切り替えることができます。
- シグネチャ型WAF「SiteGuard」を採用しています。
迷惑メール対策
以下の機能が標準で利用することができます。
- ウィルスチェック機能(メールの送受信時にリアルタイムでウイルスをブロックできる)
- 迷惑メールフィルター機能(クラウド型の高精度スパム検出エンジンで迷惑メールを排除できる)
IPアクセス制限
特定IPアドレスからのWebサイトアクセスを遮断することができます。
特定のIPアドレスからWebサイトへアクセスがあった場合、そのアクセスを遮断するように設定することができます。
コントロールパネルから「ブラックリスト」にIPアドレスを追加して利用します。
障害の少なさ
ConoHa サイトにログインすると障害情報が見られるのですが、そこを見る限り、 障害がほとんど発生していません。ConoHa WING がリリースされてから、現時点でまだ1年半ですが、それにしても障害が少ないです。これが本当であれば、この点をもっとアピールするべきなのではないかと思います。
その他
サーバー機能
- リソースグラフ
- サーバーマイグレーション(サーバーの収容環境の混雑時に、収容率の低いホストに無料でデータ移行が可能)
- SSH
- ジョブスケジューラー(Cron)
Web機能
- アプリケーションインストール
- 動作確認URL
- エラーページのカスタマイズ
- サイト転送
- .htaccess 編集
- php.ini 編集
- PHPバージョン切替 (PHP7/PHP5)
- phpMyAdmin
- FTPアカウント
- ファイルマネージャー
- アクセス解析
- ログ確認
高速化
- LiteSpeedSAPI
- HTTP/2
- OPcache
- コンテンツキャッシュ
WordPress関連
- WordPress 簡単インストール
- WordPressかんたん移行
- ログイン回数制限
- スパムコメント/トラックバック制限
- 海外コメント/トラックバック制限
- 海外アクセス制限
メール機能
- メール転送
- 迷惑メールフィルター
- ウイルスチェック
- Webメール
- メーリングリスト
- メール自動返信
サポート
- フォーム
- 電話
- チャット
5. 総評
現時点で ConoHa WING は リリースされてから1年半しか経っていませんが、スペックの高さ・サービスの内容ともに高水準となっており、安定して稼働しています。約1,000円/月クラスの共用レンタルサーバーサービスとしては、既にトップレベルのポジションを確保していると言えます。
この 約1,000円/月クラスには、エックスサーバー X10プランという強敵がおり、なかなかまともに戦えるサービスが現れなかったのですが、近年では有望なサービスがいくつも現れており ConoHa WING はその筆頭と言ってよいでしょう。
最近の競合サービスは新しいだけあって、クラウドサーバーのような使い勝手の良いものが多いです。例えば、リソースの変更が手軽にできたり、無駄なコストが掛からない料金体系になっていたりといった点ですが、このあたりはエックスサーバーにはない利点です。更に ConoHa VPS はブランディングにも力を入れているようでイメージもよいですし(主観かもしれませんが)、実際によいサービスなので自信もあるようです。それが、ベーシックプラン 1,200円/月 という料金にあらわれています(エックスサーバーX10プラン 6ヶ月以上契約より少し高くしています)。
ConoHa VPS といった ConoHa サービスを既に利用している場合には、新たにアカウントを作る必要はありません。ConoHa サービスには、ConoHa WING / ConoHa VPS / ConoHa for Windows Server などがありますが、コントロールパネルは統合されていますので操作がラクです。
以下の画面を見ると分かるのですが、例えば、ConoHa WING のサーバーを追加したり削除したりするのも簡単です。VPS のような操作です。

しかも、時間単位で使った分しか利用料金が掛からないので、ちょっと何かを試すのも割と気軽にやってみることができます。
公式サイトには、スタンダードプランが「おすすめ」となっていますが、どうせプランは変更できるので、最初は ベーシックからスタートして、必要に応じてスタンダードにするなり、リザーブドにするなり考えればよいでしょう。
約1,000円/月クラス でクラウドに近い使い勝手を求めるのであれば、ConoHa WING をお勧めします。
6. ConoHa WING の年表
「ConoHa WING」に関するこれまでのプレスリリース等を表にしました。
※ あくまでも調査できた範囲での情報になります。